相続における成年後見人とは?

人生の終わりを迎える時…あなたは、この世に残していく家族や大切な人に何を残しますか?
どんな人でも、長い人生を生きてきていれば何らかの「財産」というものがあるでしょう。
その財産を、誰にどのような形で残していくのかをきちんと取り決めておくことは本当に大切なことです。
そのため、今世の中では「終活」と呼ばれる活動に対して老若男女を問わず、様々な世代からの注目が集まっています。
遺産相続には相続税もかかりますし、そのまま財産を譲るだけではありません。
いろいろな準備がひつようなのです。

終活とは、自分自身がこの世を去るにあたって行う様々な準備のこと。
お墓や骨壺を探したり、お葬式をプロデュースしたり、遺言やエンディングノートを書く…など、この世を去る前にやるべきことはたくさんあります。
そうした終活の中でも、特に大切なこととして「遺産相続」に関する準備があります。
人間というのは、悲しいかな金銭が絡むと家族や親族でも関係なく争う「骨肉の争い」が起こってしまうものです。
ですから、家族に何らかの財産を残していく予定がある人はもちろん、「財産はそんなにないけど…」と思っているような人も、遺産相続に関する準備はきちんとしておく必要があるのです。

遺産相続の準備と言っても、どのような準備が必要なのでしょうか?
まず、遺産相続を家族や親族に対してどのように行うのかという意思を示した「遺言書」が必要です。
遺言書には、自ら書いて残しておく「自筆証書遺言」と、公証役場において公証人と作成する「公正証書遺言」があります。
一般的には、手軽に書き残せる自筆証書遺言の形式で遺言書を残すようですが、分配する遺産が多かったり相続内容が複雑な場合には公正証書遺言がオススメです。
なぜなら、自筆証書遺言で遺言書を残す場合には、内容によって法的効力が無効になってしまう恐れや、偽造・紛失などの心配があるからです。

いずれにしても、何らかの形で遺言書を残しておけば遺産相続の際に家族が争う心配は避けられます。
ですから、生前自分自身が元気なうちにきちんと法的効力のある遺言書を残すようにしておくことが本当に大切なのです。
しかし、高齢化が進んでいる今の日本では、遺言書を残す前に認知症などになってしまう人も少なくありません。
また、遺産相続を受ける側になった人が障がいを持っているなどしている場合には、認知症を患っている人と同じように判断能力が十分ではないことも考えられます。
そうした人たちを支援するために、日本には「成年後見制度」という制度があるのです。

この制度は、何らかの事情により認知・判断能力が十分ではない人に対して法律的な支援や援助を行う為の制度です。
成年後見制度を有効に活用することで、例えば…一人暮らしの高齢者が悪質商法に騙されてしまうようなトラブルの防止や、振り込め詐欺などの被害を事前に食い止めることもできます。
この制度は、高齢社会となった日本においても必要な制度なのです。
成年後見制度というのは、認知・判断能力が十分でない人の代わりにその人の財産などの管理を行う「成年後見人」を立てて個人の財産を守る制度です。

この「成年後見制度」には、主に「法定後見制度」と「任意後見制度」の2種類があります。
法定後見制度は、すでに判断能力が十分でない人のための制度で、本人の判断能力に応じた成年後見人などが代理で契約などの法律行為を行います。
また任意後見制度は、今はまだ大丈夫だけど今度のために自分の成年後見人を選定しておく制度です。
任意後見制度の場合は、本人がまだしっかりと判断能力を持っているうちに、将来的に自身の判断能力が不十分になった時の成年後見人を決めておくことができます。
成年後見人がいると、万一あなた自身の判断能力が十分でなくなってしまっても財産をだまし取られてしまったりするような心配はありません。
こうしたことから、成年後見制度は「終活」の中の大切な制度の一つとして、最近とても注目されているものなのです。

しかし、成年後見制度にもメリットだけでなくデメリットがあります。
まず、手続きにとても時間がかかること。
そして、成年後見人に対して月額3万円程度の金銭的な負担がかかるということです。
また残念ながら、成年後見人が判断能力が減退している依頼者の状態に付け込んで、財産などを悪用されるなどのトラブルも起きてしまっています。
他にも、あなた自身が家族や親族などの成年後見人に選定された場合には、仕事の役職に制限があったりするなどのデメリットもあるのです。

こうしたトラブルの背景には、成年後見人には自身の家族や親族も就くことができるという背景があります。
身内になると、どうしてもビジネスライクな対応ができず、欲が出てしまったりしようとしてしまうからだと考えられています。
そうしたことにならないようにするには、成年後見人を司法書士や弁護士などの専門家に依頼するのが良いでしょう。
専門家であれば相続税のシミュレーションもしてくれ、、相続の不安を解消してくれます。
いずれにしても、遺産相続における成年後見制度を活用するには、法律の専門家に一度相談してみるようにしましょう。