相続人へ手紙、宛名はどうする?

相続01

相続人に郵便物を届ける場合、宛名は相続人の名前を書けばいいだけです。相続人の氏名がはっきりしているときには、普通にその氏名を宛名にします。宛名に相続人○○様といった記載をするのは望ましくありません。郵便物の表書き部分はさまざまな人の目に触れます。個人情報が分かるようなことがないようにするべきです。

しかし、困るのは相続人の氏名が分からないときです。このような時には一般的には、○○様ご家族様などにします。現実的には、その家族が相続人かどうかは確認できません。

もし、被相続人の借金の取り立てなら、相続人でない家族はすみやかにその手紙を相続人に渡すでしょう。しかし、もし、なにか大金を受け取る権利に関する通知なら、悪意のある家族は正当な相続人に渡さないかもしれません。相続人への郵便物の宛名は意外に難しいものなのです。

法律家や金融関係からの相続人への通知事項は多くの場合、事前に調べて正確な個人名にします。場合によっては内容証明郵便にして、確実に届けます。

困るのは、相続人本人が郵便物を受け取っても、その内容を理解できなかったり適正な対処ができない状態のときです。認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力の不十分な方の場合には法律的に定められた方法で後見人が選任されます。未成年には未成年後見人、成人の場合には成年後見人となります。

後見人は同居の場合もありますが、別に住んでいる場合もあります。こういった場合、郵便物は相続人本人の宛名で相続人の住所に届きます。届いた郵便物を相続人本人が、放置したり捨てたり破いたりする場合もあります。時には、誤った返信をしてしまうかもしれません。成年後見人が出向いて毎日郵便物のチェックをしていても、相続人本人が隠してしまうこともあります。

こういったことが原因で相続人が不利益を被ることも少なくないのです。そこで、被後見人を宛名にした郵便物を成年後見人に転送する制度が生まれました。

郵便物の転送制度は以前からありました。多くの場合は引っ越した人が旧住所あての郵便物を新住所に転送依頼するものです。つまり、本人あての郵便物を本人正しく届けるための制度でした。

被後見人あての郵便物を成年後見人に転送されるようにするには法律で定められた手続きが必要です。
成年後見人が家庭裁判所に申立て、家庭裁判所の審判を経てはじめて手続きをすることができます。
ただし、この転送制度を利用できるのは、6か月を超えない期間と定められています。