相続人の中に成年後見人が必要な人が…どうなるの?

あなたは「成年後見制度」という言葉を耳にしたことがありますか?
成年後見制度とは、認知症や知的障がいなどにより認知・判断能力が十分でない人の財産の管理や契約などの法的手続きを代行する制度です。
このような代行作業は「成年後見人」と呼ばれる代理の人が行います。

ここまでの説明を聞いて「自分には関係のない制度だな…」なんて思っていたら、大間違い!
成年後見制度は、誰もが知っておくべき身近な制度であり、あなたやあなたの財産を守るために必要な制度でもあるのです。
そこでここでは、実際に遺産相続の際に成年後見人が必要な人がいる場合にどういった流れでの手続きになるのかをお伝えしていきます。

例えば…あなたの親が他界されて、兄弟姉妹でその遺産を相続することになったとします。
あなたの兄弟には、あなたと妹、そして知的障がいを抱える弟がいます。
このようなケースの場合に「成年後見人」が必要になるのです。
成年後見制度には、すでに認知・判断能力が十分でない人が取る「法定後見制度」と、将来的に判断能力が十分でなくなった時のための「任意後見制度」があります。
この場合は、既に知的障がいを抱えていることが明白なので「法定後見制度」が対象になります。

法定後見制度を取りたい時には、家庭裁判所へ成年後見の申し立てをする必要があります。
そうすると、家庭裁判所の方で成年後見人が選任されるため、その後見人が相続人である弟の代理として遺産分割協議に参加するのです。
しかし、家庭裁判所が選任した成年後見人が相続人であるというケースもあります。
つまり、弟の後見人としてあなた自身が選任される場合、後見人と相続人が一緒であるということになるのです。
こうしたケースは意外に珍しくないケースで、被後見人の身内が成年後見人に選任されることはよくあります。

遺産分割協議の場合には、相続人と後見人が同じとなるとそこに利害関係が生じてしまうため、家庭裁判所へ特別代理人選任を申し立て、選任された特別代理人が遺産分割協議に参加します。
このような手続きを取ることで、相続する遺産に兄弟姉妹間で不公平が生じないようにすることができるのです。